ゆとりーとライン(名古屋ガイドウェイバス)乗車記
5月にかねてから乗車してみたいと思っていた「ゆとりーとライン」(名古屋ガイドウェイバス)に乗車した際の記録です。写真はすべて平日の20時ごろの様子。
ゆとりーとライン
「ガイドウェイバスシステム」を採用し2001年に開業した路線。拡大が見込まれた都心方面への交通需要をさばき、道路渋滞を緩和することが目的とされました。専用軌道のおかげで道路渋滞に巻き込まれず、定時制と速達性を確保できます。また、専用軌道にはガイドウェイが備えられ、専用軌道走行中はハンドル操作が不要です。
また、渋滞する地区には高架専用道を建設し、郊外は地上を普通のバスとして走行できるので、需要の変化にも従来の鉄道より柔軟に対応できそうです。建設費もモノレールや新交通システムに比べれば安くすむでしょう。地図で見たところ路線全体の2/5くらい(目測)が専用軌道を用いるようです。
最近よく聞くBRT(バス・ラピッド・トランジット)ですが、国土交通省HPによればこんな要件を満たす交通システムをBRTと呼ぶようです。
「BRT(Bus Rapid Transit)は、連節バス、PTPS(公共車両優先システム)、バス専用道、バスレーン等を組み合わせることで、速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムであり、地域の実態に応じ、連節バス等を中心とする交通体系を整備していくことにより、地域公共交通の利便性の向上、利用環境の改善が図られます。」
(国土交通省:http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk1_000011.html,2019年9月2日閲覧)
連接バスではないものの、「ゆとり―トライン」もBRTのお仲間と言えそうです。ただ、他のBRTとは違って大型二種免許のほかにも
「ガイドウェイバスは『軌道法が適用されている鉄道の一種』ということになります。このため、ガイドウェイ区間を運転するには、無軌条電車運転免許が必要になります。」
(中日新聞プラス,2016年12月13日,https://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=6003&comment_sub_id=0&category_id=264,2019年9月2日閲覧)
とあるように、なぜか軌道の無いトロリーバスの免許である「無軌条電車運転免許」が必要とのこと。なんででしょうか(^^;)??
名鉄・地下鉄・JRの通る大曽根駅がガイドウェイバスの始発駅です。広く造ってあるので朝は相当混雑するのでしょう。
バスが画面奥の転回場でぐるっと回ってこちらのホームに入ってきました。ここだけ見ると普通のバスターミナルにいるのとあまり変わりません。
中ドアから続々と乗り込んでいきます。今回はsuicaで乗車しました。乗車方法も後ろ乗り前降りの普通のバスと変わりありません。安心です。
大曾根駅から3つほど乗って森山駅で下車しました。乗った感想ですが、途中で信号などで止まることもないので快適でした。立っていても楽だと思います。運転士さんは「制限40」などとカーブの制限速度を喚呼していました。
この日はすでに遅い時間で、専用軌道を走るバスだからこその活躍ぶりは見られませんでした。朝夕のラッシュ時間帯などに本領が発揮する姿を見てみたかった。
駅の外観はほとんどモノレールの駅と同じです。地味です。
乗り心地は?
当然ですが、乗り心地は普通の路線バスとあまり変わりません。ただスピードを出せる分意外と揺れる印象を受けました。
また、専用道路の壁に音が反射するためか、走行音(タイヤと路面の摩擦音)が普通のバスに乗っているときよりも大きく感じました。
MT車だったため変速ショックがあり、そこは「ゆりかもめ」などの新交通システムとの乗り味の違いかなと思います。将来的に電気バスになったら、加速もスムーズでよさそうです。
ホームはこのような感じです。これだけ長く取ってあるのは混雑防止か、また朝ラッシュの時間帯には連なって団子状に止まることもあるからでしょうか。連接バスでも運行は可能そうに見えました。
また、エレベーターも完備され「駅」と思わされるような立派な設備でした。
発車したらあっという間に暗闇に消えていきます。専用軌道に照明は見当たらず、駅から見ると真っ暗でした。
この日はもう辺りは暗く乗っていても景色はよく見えないので、このバスに乗って引き上げました。
モノレールを通すほどの需要ではないけれど、確かに移動で困っている人が多い地域で、「ガイドウェイバス」が活躍しているようです。
今のところ国内唯一の「ガイドウェイバスシステム」だそうですが今後ほかの地域でも採用されることはあるのでしょうか。
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